マ王の花嫁
全力で否定しながら、心のどこかで引っかかるような、思い当たる節があるような、そんな気がしていたけれど、私はそれをおくびにも出さなかった。
「ふーん、そうですか・・・。ま、能力の開花は個人差がありますからね。僕は5歳から、ヴィーナは2歳から、その能力が表出ていたそうだし」
「まあ・・・っ!」
「そう言えば・・あの辺りには確か、アッセンという国がありましたが、20年程前の戦争でラワーレ領に代わったんですよね。学校で習いませんでしたか?」
「いぇ。あの、私・・実は、学校へ通ったことはなくて」
「王宮内の家庭教師から習ったんですね。なるほど」
いえ。
読み書きや計算は、母やフィリップから習ったんだけど・・・それを言ってしまうと、私が偽ジョセフィーヌ姫だとバレてしまうから、エイリークにはあえて誤解をさせたままにしておいた。
「ふーん、そうですか・・・。ま、能力の開花は個人差がありますからね。僕は5歳から、ヴィーナは2歳から、その能力が表出ていたそうだし」
「まあ・・・っ!」
「そう言えば・・あの辺りには確か、アッセンという国がありましたが、20年程前の戦争でラワーレ領に代わったんですよね。学校で習いませんでしたか?」
「いぇ。あの、私・・実は、学校へ通ったことはなくて」
「王宮内の家庭教師から習ったんですね。なるほど」
いえ。
読み書きや計算は、母やフィリップから習ったんだけど・・・それを言ってしまうと、私が偽ジョセフィーヌ姫だとバレてしまうから、エイリークにはあえて誤解をさせたままにしておいた。