マ王の花嫁 
「とにかく、僕は貴女様がライオネルの花嫁になってくれた事、そしてこのような形で貴女様にお会いできた事を、とても嬉しく思っております。そして貴女様がロドムーンの王妃となってくれた事を、ライオネルはもちろん、国の民、皆が喜んでいるという事を、どうかお忘れなく」

端正な顔をニッコリさせてそう言ったエイリークは、私にグッと近づいた。

「もし何か―――ベリア族の事でもロドムーンの国事情でも―――分からない事、疑問に思う事があれば聞いてください。知っている範囲でお答えしますから。ライオネルから聞いたかもしれませんが、僕は王妃様の味方ですよ」

ちょ、ちょっと!
そんな、顔を近づけて囁かれると・・・私の心の内をしっかり見通されているような、私が偽者の姫だとバレているような・・あ。その事はすでに、ライオネル王がすでに話してるかもしれない・・・とにかく、私の・・悪事がすっかりバレているような、王同様、エイリークにも一歩先を越されているような、そんな気がしてならない!

良心の呵責にさいなまれた私は、胸をドキドキさせながらエイリークを仰ぎ見た。

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