マ王の花嫁 
「なるほど。16から21%に引き上げでしたね」
「作物に限ってな」
「それでも。確かに高い税率だと思います」
「その意見には賛成だ」
「でしたら何故」
「不作の時の蓄えだ。稲は民には欠かせない食物。故に不作で収穫が少なかった場合は、他国から買い取らねばならない。加えてウィンチェスター卿は今、税率を21%にしても払える懐事情。もちろん俺は、払える者からしかその分の税は払ってもらわない」
「それはつまり、豊かな方からは多くの税を払ってもらう、ということでしょうか」
「その通り。その税は、それほど税が払えない者たちの暮らしに役立つよう、使う事になる」
「まぁ・・・!」
「・・・何故そんなに驚く、マイ・クイーン」
「え?そ、それは・・」
「ラワーレの税率は何%だ?」
「一律12%です。そして・・・」
「そして、たとえ作物が豊作でも不作でも、ラワーレの食や物資の事情は常に同じ、乏しい、いや、中の下といったところか?」

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