マ王の花嫁 
言いよどんでいた私に代わって、ライオネル王はラワーレの国事情をピタリと言い当てた。
私は苦笑を浮かべながら、「そうですね」と言うしかなく・・・。

「別に物資に困っているわけでもないのですが、地域によって貧富の差が激しいと言いますか」
「それは、統治者であるドレンテルト王が、統治している国を均一に見ていないからだろう?」
「う・・」
「それに、高い税を払っても、それが民に活かされることなく、王宮止まりになっている故に“高い”と感じるのではないか・・・というのは俺の憶測だからな、憶測だけで物申す事は止めておいたほうが良いが・・だからラワーレは内部事情を表に出さない、非常に・・ミステリアスな国だと言えるのかもしれんな?マイ・クイーン」

・・・もしかしたら、といつも思っていた事を、ライオネル王からさらりと言われて。
私はただ驚いて、言葉もなくライオネル王を見ることしかできなかった。

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