マ王の花嫁 
「ディア?」
「・・・はい?」
「おやすみ。良い夢を見ろよ」
「・・・だと良いのですが・・」と私は呟くと、ようやく両手と額を扉から離して、ベッドの方へと歩き出した。

ライオネル王が誰を抱こうが・・・たとえ私という妻がいても、それは名ばかりのものだし・・・私は強く言える立場じゃないんだから・・・気にしない。
と言い聞かせたのに、目にじわっと涙が浮かんでしまったので、私は瞬きを繰り返してそれを撤退させると、ベッドにもぐりこんだ。

今日は疲れてしているから、夢を見ることもなく熟睡できるはず・・・ううん、夢の世界まであの人に会う事なく、ぐっすりと眠りたい・・眠らせてほしい。
今夜一晩だけでも良いから・・・。

という私の願いもむなしく・・・・・・。

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