マ王の花嫁 
『ら・・ライオネル、さま・・・?』
『・・走れ・・・・逃げろ』
『ぃや。嫌です・・・・・・』
「・・・・・・っ!!」

ガバッと上体を起こした私は、叫び声を上げないよう、両手で口を押えていた。

脇腹を抑えていたライオネル王。
王の辺りは血の海で・・・。
そこには剣が落ちていた。

何て夢を・・・これは夢だったのよね?
それにしてはとても・・・まるで私とライオネル王は、その場にいたような、そんな現実味のある夢だった・・・。

もちろんそれは私が見た夢で。
私は血まみれの手ではなく、ライオネル王も脇腹を刺されていなくて、いつもどおり元気そのもの。

そして私はライオネル王と、護衛のマーシャル(王担当)、レイチェル(私担当)と共に、馬車に乗っているのが現実だ。

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