マ王の花嫁 
「あの・・」
「どうした、マイ・クイーン」
「ウィンチェスター卿の所へ行くのは、明日ではなかったのですか?」
「その通りだ、マイ・クイーン。今日はガンザへ行く。視察だ」
「ガンザは三月程前にロドムーンの領地となった自治区です。本日は、ガンザで栽培されている作物の視察、及びこれから栽培できそうな作物を植えることが、訪問の主な目的だそうですよ」と、向かいに座っているレイチェルが補足説明をしてくれた。

「そう・・」
「何だ、マイ・クイーン」
「それは分かりました。しかし何故、私も同行しなければならないのですか?」
「おまえにロドムーンの領土と民の暮らしぶりをその目で見て、自分が今、どのような国で暮らしているかを知ってほしいからだ。その上で、民の声を直接聞き、助言を与えてほしい」

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