マ王の花嫁 
「手を貸そう」

いつの間にか馬車から降りていたライオネル王が、私の方へ手を差し出してくれていた。
それを無視したり断るのは、大人気ない上、王妃らしからぬふるまいに思える。
何より、目が覚めたばかりの私の体は、ちょっと・・安定感に欠けるような気がするので、むしろ一人で降りるのは困難だ。

私はおずおずとライオネル王に微笑みかけると、「ありがとうございます」と言って、王の手を取った。
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