マ王の花嫁 
18
こうして、ライオネル王と私は、畑の主と農民たちから、新たに栽培を始めた作物の話を聞いたり、作物の収穫具合を実際見ながら意見を交わしつつ、民たちが作ってくれたたくさんのご馳走を、皆と共に食べて過ごした。

そこで知ったのは、一昨年と昨年、ガンザは不作が続き、あわや食料危機に陥りそうになった所をライオネル王が救いの手を差し伸べた、という事。

当時、ガンザはロドムーンの統治下ではなかったにも関わらず、何故ライオネル王は助けたのだろう。
いや。逆に助ける事を引き換え条件に、ガンザを我が物にしたのだろうか・・・そうに違いない。

それでも、ここにいる民は皆、ライオネル王の事を恐れてはいない。
それに王は、作物に関する知識が豊富だ。
もちろん知らない事もあるようだけれど、知らない事は、知っている者に聞く。
そして実際、その作物を栽培している者の意見もちゃんと聞いた上で助言を与えているし、何よりその者の仕方を尊重している。
だから皆、王を慕っているのだろうと、容易に察しがついてしまう・・・。

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