マ王の花嫁 
それはそうだろう。
だって・・・子どもの頃から母を手伝って、洗濯をしていたし。

フィリップが病気になってから、洗濯は完全に私担当になった。
洗濯桶に両足を入れてドンドン踏みながら服の汚れを取りつつ、本を読んで文字や計算を覚えたあの頃が懐かしい・・・いや、それより!
本物のジョセフィーヌ姫が洗濯をしていた、なんて事、まずないはず。
姫が洗濯をしている姿すら、想像もつかないし。
でも、護衛のアキリスと駆け落ちをして、一庶民になった今なら・・・。

「そ、そうですか?実は時々洗濯をしていたので・・」
「時々、か」
「ラワーレではそういう風習なんですよ!それに、洗濯は大変な重労働だけれど、同時に楽しくもあります。綺麗になった洗濯物を干す時とか」

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