マ王の花嫁 
「申し訳ありません。今のは失言でした」
「良い。おまえは知らないのだろう?父上は―――俺もだが―――領土を拡張する事に興味はない故、領土が増えたり減ったりする事に、いちいち一喜一憂しない。だがそれは、その地に暮らす者達が、引き続き平穏無事ならばの話。不当に扱われていると分かれば、双方合意か否かは関係なく領土は還してもらう。ガンザは、元々ロドムーンの統治下にあったが、5年前、リアージュ公爵に統治権を譲渡した。双方合意の上で争う事もなく、穏便にな。そして食料危機を救ってほしいと頼まれ、代わりに栽培できそうな作物を持ち込んだ結果、向こうから領土を還すと言われたのが、3月程前の話だ」
「あ・・・そうでしたか」

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