マ王の花嫁 
「全く・・・。ジョセフィーヌに求婚を申し出たのは、ロドムーン王国の若き王・ライオネルだ」
「あぁ。今東で一番勢力を持つ大国ですね」
「ほぅ。おまえは世界情勢について、全くの無知ではないようだな」
「いえっ。私が知っているのはこの程度で・・・」
「残念ながら我がラワーレ王国は、ロドムーン程の勢力を持ってはおらん。今のところはな。故にロドムーンからの申し出を、無下に断ることはできぬ。求婚を受け入れ、婚姻関係を結ぶしか道はない。だが、先も申したように、ジョセフィーヌはこの婚姻を嫌がっておる。ま、相手はあの魔王だからな。その気持ちは痛い程よく分かる」とドレンテルト王は言うと、フゥとため息をついた。

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