マ王の花嫁 
・・・今のはライオネル王なりの賛辞のように思えて・・・何故か嬉しくなった私は、「たぶん、尽きる事なく」と答えてニッコリ微笑むと、王と同じようにラムチョップの骨を手に持ち、ガブッとかぶりついた。

その光景を見た公爵夫妻は一瞬、そしてパトリシアは露骨に顔を引きつらせたものの、ナイフとフォークを置き、私たちに合わせて(パトリシアは本当に渋々といった感じで)、ラムチョップを手に持って食べ始めた。

すぐさま、隅に控えていた執事が、ドアを開けて駆けて行く。
「美味な肉だった」とライオネル王が言って、ラムチョップの骨を置いて手を伸ばした所には、いつの間にか指を洗うための水が入ったボウルが、さりげなく置かれていた。

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