マ王の花嫁 
「でもそれは今に始まった事ではないですし、マーシャルだけが私を認めていないんじゃないんですよ。この辺りでは、騎士は男がなるべきだという風潮が、いまだに根強いんです」
「確かに・・・。本当の事を言うと、ラワーレに女騎士はいないの」
「そうですか。現状、そういう国が多いと思います」
「あなたは何故騎士になったの?」
「・・・私は、ロドムーンの北の方にある、セポネーという地域で生まれ育ちました。何不自由なく平穏に暮らしていたんですが、戦争で・・・両親と兄を亡くしました」
「そう」と私は言うと、レイチェルの手にそっと触れた。

私の膝上でおとなしくしているギータも同調するように、キュィーンと切ない声を上げる。

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