マ王の花嫁 
「騎士の世界において、女である私は邪魔な存在でしかないんです。それなのに、自分よりも私の方が、騎士として優れていると認めたくない男たちに何故けなされ続けるのか・・・。私はとっくに婚期を過ぎた行き遅れの身ですが、そういう男たちを間近に見ていると、結婚に甘い夢を抱くなんて、無駄以外の何物でもないと早々に悟ったし。何より、こんな・・男勝りで行き遅れの私と結婚したいと思うめでたい男は、世界中のどこを探してもいないでしょうけど」
「そうかしら。マーシャルは、何気にあなたの事が好きなのだと、私は思うけど?」
「違いますよ。マーシャルにとって女という存在は・・・飾りみたいなものです。そう。飾りのように愛ではするけど、決して心から愛そうとはしない。 “世界で一番慈悲深い男”なんて自分で吹聴してるけど、私からしてみたら、マーシャルは、“世界で一番無慈悲な男”でしかありません・・・でも騎士としての腕は確かですから!」

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