マ王の花嫁 
ああ言っておきながら、必死で弁護をするレイチェルは、やはりマーシャルの事が好きなのだろう。
その、誰かを想う―――特に恋をする―――気持ちは、今の私にもよく分かる。
時に胸が苦しくなる程、切ない気持ちに陥るのよね・・・って、あれ?
これは・・・私、もしかして、ライオネル様に、恋を・・・・・・?!

自分の行き着いた考えを否定するように、ブンブン顔を横にふった勢いがありすぎたからなのか。
ふってる途中で、「クシュン!」とくしゃみが出てしまった。

「王妃様。ここは冷えますから、そろそろ部屋へ戻りませんか?」
「ええ、そうね・・」

機転の利くレイチェルの「誘い」に便乗させてもらった私は、ギータを抱いたまま、スクッと立ち上がった。

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