マ王の花嫁 
「だからメリッサよ。ライオネルにバレる前に、あ奴を殺せ」
「な・・・・・・っ!」
「フローリアン王!メリッサも貴方の血を引く姫(プリンセス)でありますぞ!」
「知っておる。フィリップよ。王宮からどれ程遠く離れた山奥で隠遁生活を送っていようとも、おまえたちのことはいつでも亡き者にできたのに、今までこうして生かしておいてやったのは、こういう時に役立ってもらうためだということが、おまえほどの賢い老いぼれでもまだ分からんのか」
「王・・・貴方は、年を取っても全然変わっていない・・・」
「それはおまえなりの褒め言葉だと、今回は受け取っておこう」とドレンテルト王は言うと、ニヤッと笑った。

この人・・・本当に、私の・・・父様なの・・・?
いくら一国を統治する王とはいえ、(初対面だけど)実の娘に人を殺せと命じるなんて・・・。

信じられない、いえ、信じたくない!

< 22 / 400 >

この作品をシェア

pagetop