マ王の花嫁 
「なっ、なん・・・!?」
「寝る」
「・・・はあ?」
「昨夜はあまり寝てないんだ。ウィンチェスター卿の視察地に着くまでまだ時間はある。おまえも寝ろ」
「えっ。いやっ」
「おまえも眠れてないんだろ?」
「あ・・・えぇ・・・」

目の下にできているクマは隠しようがないから・・・ライオネル王だけでなく、向かいに座っている、レイチェルとマーシャルにも分かっているはずだ。

「あのー、ライオネル様・・?」
「なんだ」
「申し訳ないのですが、この体勢だとちょっと・・・」
「重いか」
「と言うより、寝づらいです」
「そうか」とライオネル王は言うと、アッサリと私の肩から頭を撤退させた。

と思ったら、今度は私を、自分の方へ引き寄せた。

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