マ王の花嫁 
『言いたい事はそれだけなら、もうここから出ろ』
『まあっ。お楽しみはこれからなのに。ねぇ、ライオネル様。私、ずっと待っていたんですよ?そのために父様は、貴方に土地を還したのに。なのに貴方は突然御結婚なされるし』
『おまえの父上が俺に土地を還したのは、そんなくだらん理由からではないし、おまえの事に関して、俺は誰とも何も約束を交わしてない。大体、おまえは最初から、俺の花嫁対象に入ってない』
『何故ですの?私はもう、れっきとした淑女(レディ)ですわよ』

その言葉に、ライオネル王は、フンと鼻で笑って返した。

『多少年の差はあっても構わんが・・俺はおまえみたいな子どもを相手にする気にもならん』
『そんな・・・じゃあ何故、王妃と部屋を別にしたんですか!今宵は私と一緒に過ごしたいという配慮からでしょう?私には分かっているんです、ライオネル様。貴方に相応しいのは、王妃なんかではなく、この私だと』

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