マ王の花嫁 
『余計に年齢を感じさせるあの髪・・・そうよ。きっと貴方は罠にはまったんです。そうに違いない。あのベリアの魔法使いが、貴方に何かしたんだわ。あぁ可哀想に。ライオネル様。どうか目を覚まして。私の愛で・・え?ちょっとライオネル様!何を・・・!!』

・・・ライオネル王は、パトリシアの喉元に、ペーパーナイフを突きつけていた。
どうやら机の方に体を寄せたのは、ペーパーナイフを取るためだったらしい。
それを都合よく、パトリシアは解釈をして・・・。

『一度しか言わん。よく聞け』
『・・は、ぃっ・・』
『俺はおまえの“愛”など求めてはいない。そして―――これが最も重要な事だが―――俺が自ら選んだ我が妃を侮辱するような所作や言葉をまた見聞きしたら・・・今度は容赦無く刺してやる』
『ヒッ・・』
『分かったか?』
『・・・やはり貴方は冷酷な魔王・・・!』
『おまえとの戯れは、非常につまらん・・・』
「・・・!?」

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