マ王の花嫁 
上からライオネル王の声が聞こえる。
そしてまた、王の腕を枕にして、ぐっすり眠ってしまった!
けど私、寝言、言ってないわよね?

「あのっ。私、どれくらい寝て・・・」
「20分程だろう。まだ目的地に着くまで時間はあるから、寝ても良いぞ」
「いえ・・・?」
「どうした、マイ・クイーン」

右手の自由が利かないと思ったら、ライオネル王と手を繋いでいた!

「ちょっと!手を離して下さい!」
「繋いできたのはおまえの方じゃないか」
「何故分かるの?貴方だって寝ていたくせに」
「気配でな」
「まあ。なんて理屈!」
「俺は寝起きは理屈っぽくなるんだ」

ニヤニヤしながら言うライオネル王の“理屈”に、ついふき出してしまった。
つられるように、レイチェルとマーシャルも笑う。

その時、何かを感じた私は、笑うのをピタッと止めた。

「どうした、ディア」
「・・・何か来る」

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