マ王の花嫁 
「私も行きます」
「ダメだ。まだ危険が去ったと言いきれない」
「お願いです。本当にギータが駆けて来てるの。それに、私はこれを口実に逃げたりはしません。だから」

小声で必死に懇願する私が、嘘をついてないと分かってくれたのか。
ライオネル王は、こげ茶色の瞳で強く私を睨むと、やっと手を離してくれた。

「俺も行こう」
「え・・・そこまでおっしゃるなら・・・」

・・・やはりライオネル王は、私の事を信じていないようだ。
でも、今はそのことを考えている場合じゃない。

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