マ王の花嫁 
『ベリア族はとてもユニークな種族でしてね。たとえ2種かそれ以上の混血族であっても、能力がある場合は、ベリアの特徴的な、プラチナブロンドと碧眼という外見が現れるんですよ』
『能力の開花は個人差がありますからね。僕は5歳から、ヴィーナは2歳から、その能力が表出ていたそうだし』

・・・もしかしてこれも、ベリア族の“能力”で・・・私は単に自覚してなかっただけで、本当は、すでに子どもの頃から能力が表出ていた、ということ・・・?

その時、ギータ改めウルフが、キューンと可愛い声を上げた。

「なあに?・・・ええそうね、ウルフ」

何気に励ましてくれるウルフに微笑みながら、長い毛並を梳くように撫でていると、横からスッと武骨で大きな手が伸びてきた。

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