マ王の花嫁 
「え。しかし・・・」
「敵はいないから大丈夫よ。だから安心して体を休めて。それにここは暑いから、鎧を脱いだ方が良いわ。そして私たちと一緒にお茶と・・・おにぎりでしたっけ、いただきましょう」

責任感が強く、自分の仕事に誇りを持っているレイチェルには、少し強めの口調で言わなければ、私の言う事を聞かないだろう。
案の定、それでもレイチェルは、かなり渋っていたけれど、実際気分が優れないのには敵わなかったのか。
やっと私の近くまで来て、背中と胸を覆う鎧を脱ぐと、隣に座ってくれた。

レイチェルは、座った途端、密かに安堵の息を漏らした。
やはりきついのを我慢していたのかもしれない。
倒れてる前に休ませて良かった。
と思うと、私の心に安堵感が広がっていく。

「それにしても」と私は呟きながら、水田にいるライオネル王の方をチラッと見た。

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