マ王の花嫁 
そんな光景を見聞きしながら、つい私の顔に笑みが浮かんだ矢先。
隣のライオネル王がふと体を揺らした。
途端、ウルフが私の膝に移動するのと同時に、またしてもライオネル王が私の肩に頭を預け置いた。

「眠りますか?」
「ああ。重くないか」
「いえ、大丈夫です。私は起きていますので」
「王宮に着くまで30分程・・・」

きっと稲刈り作業で体を動かしたから疲れたのだろう。
最後に「寝る」言った時にはすでに、ライオネル王は眠り始めていた。

「王妃様はお眠りにならないのですか?」
「ええ。眠くないし」

・・・仮に眠たくても、馬車内で眠らない方がいい。
だって今眠ったら、夜ぐっすりと眠れないから・・・。

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