マ王の花嫁 
私の肩に手を置いていたライオネル王がそうさせたのか、それとも私が自分からしたのか。
分からないけれど、私はスクッと椅子から立ち上がると、斜め隣に立っていたライオネル王を挑むように見上げながら睨んでいた。
当然、王も上から私を睨み返している。

と、その時。
「キングとクイーンッ!」というアイザックの声が私たちの間に入ってきたおかげで、私はハッと我に返ることができた。

「今は肖像画を作成中です!夫婦喧嘩は後でお願いしますよっ!」
「・・そうよね。ごめんなさい、アイザック。それから、ライオネル様にも謝罪します。ごめんなさい」
「俺よりも先にアイザックに謝ったな」
「それはだって!肖像画の色塗りの方が先でしたし・・・それよりライオネル様」
「何だ」
「そろそろ手を離していただけませんか」

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