マ王の花嫁 
何故・・・何故ライオネル王の温もりを感じると、私はこんなに安堵できるのだろう・・・。

それを証明するかのように、私はライオネル王の温かく逞しい胸板に、何度も頬を擦りつけていた。

「おまえは俺が嫌いか?」
「いえ・・・いいえ」
「そうか。これが終わったら今日はもう休め」
「でも・・・」
「今日は俺の仕事につき合う必要はない」
「でしたら・・・この後、バーバラ様の花壇に行ってもよろしいでしょうか」
「ああ構わん。おまえの気が向けば、庭師の手伝いをしても良いぞ」とライオネル王に言われた私は、顔をパッと王の方へ上向けた。

< 279 / 400 >

この作品をシェア

pagetop