マ王の花嫁 
この3日間に、ジョセフィーヌ姫として知っておくべき一般教養は、どうにか身につけた。
社交ダンスも、見苦しくない程度に動くことができるようになった・・・と思いたい。

「ちょっと!私はこんなに酷くないわよ!もっと上手く踊りなさい!」
「でも、パートナーの足を踏む回数は、かなり減ったんですよ」と言い訳をしたものの、自分でも酷いダンスだと分かっている・・・。

あぁ、これが単にメリッサ・ランバートとしてのダンスなら・・・いや、メリッサ・ランバートなら、社交ダンスを踊る機会すらないはずだ。
大体、他人に成りすますなんて一度もしたことがないのに、この私がドレスを着て、優雅にワルツを踊るとか・・・しかも、人々から恐れられている“魔王”の元へ嫁ぐとか・・・。

夫となる“魔王”を、殺す、とか・・・・・・。

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