マ王の花嫁 
「はあ?つまり、“魔王”は“クマ王子”の略、だと言うの!?」
「ええ。知ってる人は知ってるようで。マーシャルは時々“クマ王”って言ってたわ」
「・・・呆れた。まあでも・・・クマみたいな大柄な体躯をしているから、その分動きは鈍くなるはず。唯一の狙いどころはそこになるかも」

サーシャがブツブツと呟いていると、遠くからエイリークが歩いてくるのが見えたので、咄嗟に私はサーシャに目で合図を送った。

「こんにちは」
「こんにちは、エイリーク。どうしたの?」
「実は王妃様ではなく、サーシャに用がありまして」
「は、い?私、ですか」
「ああ。これを」とエイリークは言うと、茶色の小瓶をサーシャに見せた。

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