マ王の花嫁 
『メリッサ・・・』
『・・・誰・・・』

ここは・・どこなのかしら。
辺りは白くて・・・雪?が降っているというのに、全然寒さを感じない。
それに、誰もいないというのに、私を呼ぶ声が聞こえて・・・あ、この声・・・以前見た夢で、「聖なる山に選ばれし者」と言っていた声と同じだ。

『宿命は変えようのないもの。そして運命は、生きていく中で起こり得る事。宿命に逆らわず、運命に抗わず。あなたは聖なる山に選ばれし者の一人。その宿命に逆う事無く、近いうちに起こり得る運命に抗う事無かれ・・・』
『メリッサ。愛しい我が子』
『か、母様・・・?母様!』
『あなたに与えられた力を恐れる事は、宿命に逆らうのと同じ事です。力を恐れずに。視えるものを恐れずに』
『でも、一体どうすれば・・・』
『運命に抗わず、ただその流れに身を委ねれば良いの。大丈夫、宿命は変えようのないものだけれど、運命は・・・起こり得る事は、変える事ができます。起こり得る事は、自分で選ぶことができるのです』

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