マ王の花嫁 
ガバッと上体を起こした私の横には、ライオネル王はいなかった。
でも、ベッドの横に女性―――私と同じ、でも私よりも短いプラチナブロンドの髪と、碧眼をしている―――が、微笑みながら座っていた。

「あ・・・あなた、は」
「初めまして、ですね。私はヴィーナ・ミラー・デロームです。やっとお会いできて、とても嬉しいです!兄のエイリークには、もう会ったんですよね?」
「あ・・ええ。じゃああなたがエイリークの妹さんなのね・・・。私もあなたに会えて嬉しいわ。でも、こんな姿でごめんなさい」

寝起きな上に、昨夜は泣きながら寝落ちしてしまったし。
きっと目は腫れて、酷い顔がもっと酷くなっているに違いない。

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