マ王の花嫁
そしてついに、ロドムーン王国へ出発する日がやって来た。
ライオネル王を殺めるとは、もちろんまだ決めていない・・・というか、絶対したくない。
でもドレンテルト王が言うとおり、私には嫌だと拒む権利なんてないから・・・覚悟を決めるしかない。
「じゃあ・・行ってきます」
「メリッサよ、ライオネル王を殺してはならん」
「でっ、でも、私が断れば、フィリップや村の人たちが・・・」
「他人の寿命を勝手に決めることは、人として、してはならぬことじゃ」とフィリップに言われて、私は泣きそうになった。
「おまえには、ワシのような人殺しにはなってほしくない。おまえの母・アンナマリア様も、そのようなことを望んではおらんはずじゃ」
「でも・・・」
「ワシのことなら心配せんでもいい。村の者たちやシーザーも、皆、自分の身は自分で守る。誰もおまえをあてにはしておらん。だからな、メリッサよ。村全てのことを、おまえ一人で抱え込む必要などない」
「う・・・フィリップぅ・・・」
私の目にたまっていた涙が、堪え切れずにスーッと頬を流れ出る。
ライオネル王を殺めるとは、もちろんまだ決めていない・・・というか、絶対したくない。
でもドレンテルト王が言うとおり、私には嫌だと拒む権利なんてないから・・・覚悟を決めるしかない。
「じゃあ・・行ってきます」
「メリッサよ、ライオネル王を殺してはならん」
「でっ、でも、私が断れば、フィリップや村の人たちが・・・」
「他人の寿命を勝手に決めることは、人として、してはならぬことじゃ」とフィリップに言われて、私は泣きそうになった。
「おまえには、ワシのような人殺しにはなってほしくない。おまえの母・アンナマリア様も、そのようなことを望んではおらんはずじゃ」
「でも・・・」
「ワシのことなら心配せんでもいい。村の者たちやシーザーも、皆、自分の身は自分で守る。誰もおまえをあてにはしておらん。だからな、メリッサよ。村全てのことを、おまえ一人で抱え込む必要などない」
「う・・・フィリップぅ・・・」
私の目にたまっていた涙が、堪え切れずにスーッと頬を流れ出る。