マ王の花嫁 
「私も・・・。ライオネル王がどこにいらっしゃるか、あなたは聞いてる?」
「この時間ですと王は公務の合間ですから、多分今は・・・庭園のそうですね・・花壇の方にいらっしゃるかと」
「ありがとう」
「そう言えば、小犬のウルフはレイチェルのところにいると、王から言付かっておりました」
「あぁ、そうなの。本当にありがとう」
「これからも分からない事があれば、どうぞ遠慮なく聞いてください。私が知っている事はお教えします。それからもう一つ。ライオネル王は、ベリア特有の能力に恐れをなしたり、貴女様の能力を知って引く、なんて御方ではありません。王を信頼して、話せる事はお話しても大丈夫ですよ」

ヴィーナは椅子から立ち上がると、優雅にお辞儀をして部屋から出た。
私は、続き部屋の扉を開けて自室に入ると、寝着から服に着替えて部屋を出、王宮内の庭園にある花壇の方角へ向かった。

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