マ王の花嫁 
「とにかくっ、あなたを殺せなかった事をドレンテルト王が知れば、村人たちは殺されてしまいます。でも・・・でも、私にはあなたを・・・誰も殺す事なんてできません。人の寿命を勝手に絶つなんて、私には・・・できません。ライオネル様、あなたを騙して、そしてロドムーンの民を騙して、本当に・・・心から申し訳なく思っています。サーシャがあなたに行った暴挙は、とても許せる事ではないと分かっていますが、お願いです。私はどのような処罰も受けます。私を殺してもらっても構いません。どうか・・どうか、サーシャの命は・・・それと、ラワーレの民にも罪はありません。ですからどうか、ラワーレの民にも御慈悲を」

と私が言っている途中で、ライオネル王がスクッと立ち上がった。
そしてまた、靴音を響かせて、私の方へ歩いてくる。

まだ剣を抜いてはいないけど、でももう私は・・・!

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