マ王の花嫁 
この場でライオネル王に殺されるんだという恐怖はあった。
けれどそれ以上に、もう王を殺さなくていいという安堵感と、そして・・・もう王に会えないと思う寂しさを、私は今、抱いている。

私は両目を閉じて、頭を垂れた。

ごめんなさい。さようなら、ライ様。
そして・・・ありがとう・・・・・・。

しかし、ライオネル王は私に剣を振り下ろすことはしなかった。
代わりに私の腕を軽く掴むと、「立て」と言いながら、私を立たせた。

「・・・・・えっ?あの」
「来い」

・・・あぁそうか。
いくらなんでもここで剣をふるのはちょっと・・・よね。
きっとこの王宮には、「処刑室」のようなものがあるのよ。
・・・それとも、庭園で「公開処刑」、とか・・・。

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