マ王の花嫁 
・・・え?レイチェルが子どもを・・・つまり、妊娠しているって事!?
あぁ・・・でも、それで最近、レイチェルの体調が思わしくなかったのね。
と納得しつつ、キスをしているマーシャルとレイチェルを祝福しながら、私は横目で見ていた。

「逃げるなよ。俺の帰りを待ってろ。いいな?」
「・・・ぅ」

泣きながら何度もうなずくレイチェルの、まだふくらんでいないおなかに、マーシャルは優しくキスをすると、靴音を響かせながら力強く歩いて行った。

「ニコ・スターニス。俺の不在中、おまえに王宮内及び国の統治を任せる」
「御意」
「敵が攻めてくる可能性は皆無ではない。それだけは言っておく」
「御意」
「クイーンは俺に同行する」
「えっ!?」

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