マ王の花嫁 
今すぐ公開処刑、ではないの・・・?
まさか、私はラワーレで処刑されるの!?

ライオネル王とニコ、そしてレイチェルの規則正しい足音に交じって、私の慌てる不規則な足音が石畳の廊下に鳴り響く中、疑問と焦りが渦巻く私をライオネル王は全く相手にせず、試しにチラリと王を見ても、無視してそのまま歩き続ける。

「では王妃様の馬を」
「必要ない。ジュピターに乗せる」
「分かりました」
「護衛一番隊を15名選別。その者達に馬車2台を運ばせろ。それから通行証の用意。俺たちは用意が出来次第、先に出発する」
「はっ!」
「行ってらっしゃいませ、ライ王様、王妃様」

怒った響きの口調は変わらなくても冷静になったのか。
それとも、最初から冷静だったのかもしれない。
自分よりも年上のニコに次々と命を下すライオネル様からは、王としての威厳を感じる。

私はライオネル王に腕を引っ張られたまま、別室へ連れて行かれた。

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