マ王の花嫁 
これはジョセフィーヌ姫の御成婚なので、偽者の私は、人里離れたところへ行くまで、荷台の中に隠れていた。
最初の国境を越えたところで、本物のジョセフィーヌ姫は、髪飾りや宝石を外して、普段私が着ているような、コットンのワンピースに着替えて庶民と化し、ごく普通の馬車で、ドレンテルト王が用意をしている隠れ家へ、護衛のアキリスとともに向かった。
そしてジョセフィーヌ姫が座っていた王家専用の豪華な馬車には、ジョセフィーヌ姫に似せた格好をした私が座る。

今から私はジョセフィーヌ・・・姫だ。

こうして私たち一行は、出発して3日目の朝、東にあるロドムーン王国へ到着した。
フィリップは機会を見つけて逃げろと言ってくれたけれど・・・どうしてもできなかった。

< 33 / 400 >

この作品をシェア

pagetop