マ王の花嫁 
「・・・メリッサ。メリッサ・・メリッサ・・・」
「・・・んんぅ・・・ぅ・・・んっ、ライ・・・」
「やっとだ・・・」とライオネル様は呟くと、ようやくキスを止めた。

「まだ止めないで!」という気持ちが強かった私は、つい不満の息を吐いてしまった。
そんな私に、ライオネル様はニコッと微笑む。
でも、その顔はどこか切羽詰まり、こげ茶色の瞳には欲望の光が宿っているように、私には見えた。

「やっと、おまえの名を呼べた」
「ぁ・・・ライ様・・・」

ライオネル様にそう言われて、感極まった私の碧い眼から、涙がスーッと流れ出てきた。

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