マ王の花嫁 
「だが、まだ湯が熱過ぎる。少し冷めるまで、おまえはスープを飲めば良い。ダメだ、メリッサ」
「・・・まだ何も言ってませんが」
「“食欲がない”とか、“食べる気がしない”と、おまえはしかめた顔で言っている」
「ぅ・・・」
「おまえは丸一日以上、何も食べてないんだぞ。スープくらい飲んでおけ」
「・・・はぃ」

ライオネル様の命ずるような言い方の中に、気遣いを確かに感じた私が、降参してベッドの方へ歩いて行った、その時。
いつの間にかそこまで来ていたライ様が、ベッドに入ろうとした私の肩を軽く掴んだ。

驚いた私は「きゃぁっ」と小さな叫び声を上げてしまった。

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