マ王の花嫁 
ズボンを脱ぐ姿も含めて、全てのライオネル様の動きは淡々としていた。
私がそこにいても、全裸姿になる事が、全く気にならないようだ。
まるで、私の事、というより存在そのものを、気にかけているようでかけていないような・・・。

私は隣の逞しい体から発せられる熱を、ひしひし感じているというのに。

ライオネル様は私の方を見ようともせず、引き続き淡々とした状態で、ベッドに乗せるトレイを私たちの方へ引き寄せると、「食べろ」と言った。

「少し冷めてはいるが中々美味そうだぞ。それに毒も入ってない」
「えっ!?毒味、されたんですか・・・」
「俺はしていない」
「あぁ・・そぅ、ですよね」

私は気まずい思いを払拭するように、スープを一口飲んだ。
・・・確かに、少々冷めてはいるけれど、とても美味しい。

思わず口元に笑みを浮かべた私は、またスープをスプーンですくった。

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