マ王の花嫁
「おまえにとっては初めて遭遇する祭事だからな。見たいと思う気持ちは分かる」
「ですが、私・・たちは、インザーキの収穫祭を見に来たのではないですし。本来の目的は別にありますから」
「その通りだ、ディア。今夜はなるべく体を休める事を優先させよう」
「・・・はぃ」
「ところでおまえは・・いつからベリア族の外見になったんだ?」
「物心ついた時には、すでに碧眼とプラチナブロンドの髪をしていたと記憶しています。でも、ベリア族特有の“能力”を、自分が持っているという自覚はありませんでした。それに、私と母以外、同じ外見をした者を見た事もなくて」
「ベリア族は北東の方に比較的多く存在すると聞く。ロドムーンにもエイリークの家族の他、数十名いるぞ」
「そうですか。だからあなたは、私の能力を、私よりもすんなり受け入れているのですね。それに、私よりもベリア族の事を存じているように思います」と私が言うと、ライオネル様はフッと笑った。
そしてライオネル様は、「かもしれんな」と言いながら、私の髪にそっと触れた。
「ですが、私・・たちは、インザーキの収穫祭を見に来たのではないですし。本来の目的は別にありますから」
「その通りだ、ディア。今夜はなるべく体を休める事を優先させよう」
「・・・はぃ」
「ところでおまえは・・いつからベリア族の外見になったんだ?」
「物心ついた時には、すでに碧眼とプラチナブロンドの髪をしていたと記憶しています。でも、ベリア族特有の“能力”を、自分が持っているという自覚はありませんでした。それに、私と母以外、同じ外見をした者を見た事もなくて」
「ベリア族は北東の方に比較的多く存在すると聞く。ロドムーンにもエイリークの家族の他、数十名いるぞ」
「そうですか。だからあなたは、私の能力を、私よりもすんなり受け入れているのですね。それに、私よりもベリア族の事を存じているように思います」と私が言うと、ライオネル様はフッと笑った。
そしてライオネル様は、「かもしれんな」と言いながら、私の髪にそっと触れた。