マ王の花嫁 
「実は、その時見た夢に、あなたが出てきたんです」
「初予知夢が“俺”か」
「はい。エイリークから聞いたのですが、ちょうどその頃、あなたは花嫁を探していたのですよね?」
「・・・その通りだ」
「念のために言っておきますが、その時私は、あなたという存在を知りませんでしたよ。なので最初私は、こういう男の人が自分の好みと言うか・・・こういう男性に恋をしたいのかと・・つまりですね、自分でも気づいていない、心の奥底で願っている事が、夢として現れたのだと思っていたんです。だから、夢の中でいつも“来い”と言っていたあなたが実在した事に、ものすごく・・・本当に、驚きました。声まで同じで。国王の通行証でもある、獅子の紋章入りの指輪も。唯一違っていたのが髪の長さだったんですが、それも、婚姻の翌日には全く同じになって」
「それは驚くだろうな」と言ったライオネル様の声は、感心しているように聞こえたので、私はホッとした。

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