マ王の花嫁 
それから、ライ様と私は、ラワーレに着くまで会話をしなかった。
恐らく今のライ様は、一国を統治する王として、自分を殺して領土を奪おうと目論んでいるドレンテルト王とどう向き合うか、考えているのかもしれない。
もしくは、私をどのように処刑するのかを考えているのかもしれない。
それでも、ジュピターに乗っている私は、すぐ後ろにいるライ様から盾のように護られている。
そう感じるだけで、私は十分幸せだった。


日の出前に出発した私たち一行は、ジュピターたちが飛ばしたおかげで、その日の夕方、日が暮れる前にラワーレ王国に到着した。

国境兵たちは、「ジョセフィーヌ姫」の嫁ぎ先で、「姫の夫」であるロドムーンの国王が来ると報告を受けていなかったからか(それは勿論、こちら側がわざとした事だ)、私たちは、控えめに言っても、かなり慌てふためいた対応を受けた。
それでも、私たちはすんなりと、ラワーレ国内へ入国する事ができた。

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