マ王の花嫁 
・・・私、何か間違った意見を言ってしまったのかしら。
ライ様の全身から何か・・怒りのような雰囲気を感じるのだけれど。
でも怖くないような・・・。

「ならば何故おまえは昨夜、ほぼ一晩中俺に抱かれた!俺に恩赦でも乞うつもりだったのか?そのためにおまえは我が身を差し出し、俺にしがみついたまま離れようとしなかったと言うつもりか!」
「な・・・違う!そんな・・・違います!」
「ならば何故だ!言え!」
「だ、だって・・・昨夜が最後だと・・思って、それで・・・だったら、愛している人に殺される前に、うぅ、愛している人に、だ、抱かれて・・・抱かれたいと・・・最後だから、うぅ、最後に、私が持ちうるありったけの愛を、あなたに、と・・・」
「あぁメリッサ」

ライオネル様は、嘆かわしいという声音で私の名を呟くと、必死に泣き止もうとしている私を、そっと抱きしめてくれた。

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