マ王の花嫁 
「それでおまえは眠りに落ちる直前に、“あなたが迎える未来の花嫁”などと、他人的な戯言を呟いたのだな」とライ様は言うと、フゥと息をついた。

その吐息が、頷く私の髪をそっとくすぐる。

「ディア・メリッサ。おまえは本当に真っ直ぐで純心で美しく・・・相変わらず殺気は皆無な上、俺との恋愛経験がいまだに足りていない」
「そっ、それは・・・・・・えぇっ!?今何と・・」

思わず私は、ライオネル様を仰ぎ見た。
そんな私にライ様はフッと微笑みかける。

「そんな愛すべきおまえを誰が殺す?ん?俺はおまえを護りこそすれ、この手で殺める事など決してするつもりはない。決して」
「ら、ライ様・・・」

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