マ王の花嫁
フィリップは生きていた!
それだけでも嬉しいのに、また無事に再会できた喜びに、私の目からは涙がとめどなくあふれ出てくる。
「メリッサや。おまえに逃げろと言ったが、まさかここに戻って来たという事は・・・」
「そ、そぅじゃない、の。私、ライ様を・・誰も、殺す事なんて、できなかった」
「そうか・・・。それで良いんじゃ、メリッサ」
フィリップは、しゃくり上げて泣く私をあやすように、背中を優しく撫でてくれた。
そこにスッと影が出来たと思ったら、ライオネル様が来ていた。
「フィリップ翁。やっとお目にかかれた事、俺も嬉しく思っております」
「其方はまさか、ロドムーン王国の・・・!」
「国王(キング)・ライオネル・クレイン」とライオネル様は名乗ると、フィリップにニヤリと笑った。
「ライ様・・・」
「ここでの用はもう済んだ。行くぞ。フィリップ翁もご一緒に。翁、歩けるか?」とライ様に聞かれたフィリップは、「無論じゃ!」と元気良く、そしていつものように懐かしく答えたけれど、やはり足腰は弱っているのだろう。
ゆっくりなテンポで歩き出したフィリップに合わせるように、私もゆっくりと歩き始めた、その時。
ライオネル様は、「あぁ」と思い出したように言いながら、ドレンテルト王が座っている方向へふり向いたので、私とフィリップは立ち止まった。
それだけでも嬉しいのに、また無事に再会できた喜びに、私の目からは涙がとめどなくあふれ出てくる。
「メリッサや。おまえに逃げろと言ったが、まさかここに戻って来たという事は・・・」
「そ、そぅじゃない、の。私、ライ様を・・誰も、殺す事なんて、できなかった」
「そうか・・・。それで良いんじゃ、メリッサ」
フィリップは、しゃくり上げて泣く私をあやすように、背中を優しく撫でてくれた。
そこにスッと影が出来たと思ったら、ライオネル様が来ていた。
「フィリップ翁。やっとお目にかかれた事、俺も嬉しく思っております」
「其方はまさか、ロドムーン王国の・・・!」
「国王(キング)・ライオネル・クレイン」とライオネル様は名乗ると、フィリップにニヤリと笑った。
「ライ様・・・」
「ここでの用はもう済んだ。行くぞ。フィリップ翁もご一緒に。翁、歩けるか?」とライ様に聞かれたフィリップは、「無論じゃ!」と元気良く、そしていつものように懐かしく答えたけれど、やはり足腰は弱っているのだろう。
ゆっくりなテンポで歩き出したフィリップに合わせるように、私もゆっくりと歩き始めた、その時。
ライオネル様は、「あぁ」と思い出したように言いながら、ドレンテルト王が座っている方向へふり向いたので、私とフィリップは立ち止まった。