マ王の花嫁 
「こちらでございます」
「では。近いうちにまた会いましょう、義父上(ちちうえ)」とライオネル様は言うと、サッと踵を返した。

その拍子に、凝った刺繍が施された緋色のマントがサッとなびく。

・・・凄い。
ライ様は、周囲の風までも、味方につけているような気がする。

「・・・フッ。フフッ。ハッハッハッ・・・!!」

・・・自分の信念が間違っていると、ようやく気がついたのか。
狂ったように笑い続けるドレンテルト王の声を聞きながら、私たちは広間を後にし、門前で待っているマーシャルたちの所へ、ゆっくりと歩いて行った。

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