マ王の花嫁 
あれだけ約束をしたのに、ドレンテルト王は、私がロドムーンへ向かって早々に、小犬のシーザーを王宮から追い出したそうだ。
それでも、私がフィリップを託したために、シーザーは毎日、王宮の門前まで来ては、門兵に追い返される、という事を繰り返していたらしい。
だから王宮内ではシーザーの気配を感じなかったのか、と納得するのと同時に、健気なあの子のしそうな事だと思いつつ、私の目に涙がじわっと浮かぶ。

シーザーは・・・生きている。絶対に。
だとしたら、あの子はどこへ行くだろう。

食べ物や飲み物を与えてくれる親切な人がいる、見知った場所。
・・・となると、あそこしかない!
という私の読みは当たっていた。

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