マ王の花嫁 
私たちは、運営している事業用の庭園近くにある孤児院で、シーザーを始め、孤児の世話をしているシスター・マジュルカや、この孤児院で育ち、今は孤児の世話をしているジュリアと、ジュリアの弟のジャスパー、そしてもちろん、ここで暮らしている子どもたち皆と、無事再会する事ができた。


「もう、本当に突然いなくなって心配したのよ!それに、あなたがいなくなる直前、王宮の馬車も小屋に来たし。ドゥクラさんも、同時期に突然いなくなって・・・。でも、二人とも元気そうで良かった・・・」
「ごめんね、急にいなくなって」

お互い、目に涙を浮かべながら笑顔を浮かべていると、ジャスパーから、「痩せたんじゃないか?」と聞かれた。

痩せた事はフィリップにも馬車内で言われたばかりなんだけど・・・。
と思いながら苦笑を浮かべつつ、私が「ちょっと食欲が無くなってて」と言った、その時。

私とジャスパーの間を遮るように、大きな影、というより壁ができた。

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